ミニチュア撮影をしてみました

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nikon D7000とチルトアダプターでミニチュア写真を撮影してきました。実はミニチュア写真を趣味にして4年目になります(笑)今回はミニチュア写真についての簡単な説明と、作り方を踏まえて日記に書こうと思います。

余談1…ミニチュア写真とは何か?

ミニチュア撮影とはその名の通り、撮影する風景をジオラマのように見せる写真撮影技法のことです。ミニチュア写真は、写真家の本城直季さんや、ユニクロカレンダーが火つけ役で大流行しました。まずはイメージをご覧ください。3年前にユニクロカレンダーに刺激されて自分で作った動画をアップしてみました。

(2012/05追記)すみません。youtubeアカウントの変更の為、動画が見れないようです。また近いうちにアップします。

いかがでしょうか?ミニチュアに見えるものもあったり…。見えないものもあったり…??まるでジオラマに見えるのは、通常の写真よりも焦点の合う範囲が極端に狭く、彩度・コントラストを上げているからです。つまり、現実の風景を忠実に撮影するのではなく、逆にディテール(細部)を潰してしまうとジオラマのように脳が錯覚する写真が作れるわけです。

ミニチュア写真を作るには主に2つの方法があります。それはソフトウェア上での加工や、チルトシフトレンズを利用する事で作ることができます。両者とも、先ほど前述したように写真のディテールを潰す加工やレンズ描写を意図的に行うことができます。

余談2…ソフトウェア上での加工

冒頭から2,3番目に掲載しているミニチュア動画は、ソフトウエア加工で作成しています。ソフトウェア上での加工については、iphoneなどのスマートフォンアプリやデスクトップアプリで有名な「TiltShift Generator」で簡単に作ることができます。さらに細部までこだわる場合にはphotoshopで加工します。photoshopの良いところは、ドロップレットやバッチで一括処理する事ができる点です。特にミニチュア動画を作る場合にはインターバル撮影した連番画像に一括加工を施すことが可能になる為、効率も上がります。また、動画ファイルからミニチュア動画を生成する専用ソフトやアプリも多数存在するようです。

チルトシフトレンズ

チルトシフトレンズ(Tilt-Shift Lens)とは、通常は絞り込まないと焦点の合わない被写体に対して、「あおる」ことで全ての箇所に焦点を合わせることのできるレンズです。アオリ撮影は商品写真などでよく利用されています(細部までシャープである事が求められる)。ミニチュア撮影では、この「アオリ撮影」を逆手に利用して、一部しか焦点が合わない写真を撮影しています。その名も「逆アオリ」撮影です。

つまり、本来ならば画面全域で焦点の合う風景も、逆アオリ撮影する事によって、画面の端は前ピン、後ピン状態になるわけです。…詳しくは以下が参考になりました。

ミニチュア撮影が可能なレンズのラインナップ

ニコンの一眼レフには、チルトシフトレンズのラインナップとして、PC-E 80mm F2.8とPC-E 40mm F2.8、PC-E 24mm F3.5などが存在します。しかしどれも数十万もする高価なレンズばかり…。そこで今回は、チルトするレンズアダプターと中判カメラのレンズを接続してみました。レンズマウントの名は「pentacon six(ペンタコン・シックス)」と呼ばれるもので、1950-1980年代に出回った東ドイツのカールツァイスレンズだそうです。今回はその中で、フレクトゴン50mmF4というレンズを選んでみました。

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実際に撮影してみた結果はこんな感じです…。全て一眼レフから撮って出した未加工の写真データです。
(ピクチャーコントロールでニュートラルから色の濃さを上げています)

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まとめ

チルトレンズで撮影してみた感想は、アングルと被写体選びが重要であると感じました。構図と被写体によってミニチュアっぽく見えるものもあれば、そうでないものあるのです。しかし、俯瞰(高い位置から見下ろすアングル)で撮影しなくても、ミニチュアっぽく見えるものもあるようです。この辺りは撮影しているうちに感覚が養われると思いますのでこれから沢山撮ってみたいと思います。
ミニチュア写真や動画を作る為には、ソフトウェア加工とレンズで作成できると前述しましたが、以下の長所・短所があると思います。個人的にはその場ですぐに作品へ仕上がってしまうレンズ方式の方が好きですが、みなさんは如何でしょうか?

方法 長所・短所
ソフトウエア加工
  • 撮影後の加工となる為、レンズ(画角)を選ばない
  • photoshopなどで細部までこだわった加工も可能となる
  • 撮影データを元に何度もやり直し加工ができる(可逆性)
  • 撮影後に加工作業時間と手間がかかる
  • 撮影アングルや被写体選定に誤ると、その時点でミニチュアっぽく見えない作品に陥る可能性が高い
チルトレンズで撮影
  • ファインダーで仕上がりが確認できる為、イメージに近い作品へ追い込む事ができる。
  • その場ですぐにミニチュア写真が撮影できる
  • 補正は可能だが、撮影後データにミニチュア加工は難しい。撮影後のやり直しは不可能(不可逆性)
  • 使用レンズにより画角が制約される

参考になった記事

レンズ選びには以下の記事が大変参考になりました。ありがとうございます。

ペンタコン・シックスマウントのカメラとレンズ一覧
ペンタコン6マウント
(Classic Lensesさん)

Carl Zeiss Jena Flektogon F4/50mmによる逆アオリ撮影の作品
ぷひぷひ探検隊 | ティルト撮影に初挑戦 in 姫路城
(ぷひぷひ探検隊さん)

Carl Zeiss Jena Flektogon 65mmによる逆アオリ撮影の作品
彷徨える 横須賀人 | イエナフレクトゴン 65mm & ティルトアダプタ
(Fliegender Yokosukarさん)

Carl Zeiss Jena Biometer 80mm F2.8による逆アオリ撮影の作品
人間到る処 | チルト撮影
(aoy@maさん)

Carl Zeiss Jena Biometar 120mm/f2.8による逆アオリ撮影の作品
極楽ホッピー | Canon EOS + Carl Zeiss Jena Biometar 120mm/f2.8
(ゴミ屋敷主人さん)

Carl Zeiss Jena biometar 80mm F2.8と、Biometar 120mm f2.8による逆アオリ撮影の作品
白詰草の咲くころに。 Tilt Lens – あなたを見つめて。。 monochrome life

Sony NEXなどのAPS-Cミラーレス一眼やμ4/3では、既存のニコンレンズも逆アオリして遊ぶことができるようです。正直こっちの方が財布に優しいかもしれないですね(笑)
Sony α-NEXにKIPON製チルトシフトアダプタを取り付ける
デジカメWatch | オールドレンズでジオラマ写真
(デジカメWatchさん)

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