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概要
「脱初心者!!D7000を使いこなすコツ」第1回目は、第2回目以降で後述する一眼レフの魅力を引き出すポイントについての予備知識です。具体的には「絞り(F値)」・「感度(ISO)」・「シャッタースピード(SS)」を意識することの重要性について説明したいと思います。
まずは、これらを意識して撮影すると写真の出来栄えが確実に上がります。尚、当記事では、この3つの設定を何度も連呼することになるので、「3大設定」と総称することにします。「3大設定」とは当ブログで勝手に造った用語です。予めご了承ください。
本題の前に…。一眼レフは、3大設定の操作性を重要視したカメラ
冒頭の写真やテーマにありますが、カメラのボディによく見かける「M,A,S,P」とは一体何でしょうか…?この「M,A,S,P」を理解する前に、まずは「3大設定」を知っておく必要があります。
デジタルカメラのオート撮影では、撮影を行うために「3大設定」を自動で設定しています。ニコンに限らず一眼レフでは、前述した「3大設定」の操作を行い易いくするために、ボディにボタンやダイヤルが多く設けられています。一眼レフでは高価な上位機種になればなるほど、操作性を向上させるためにより多くのボタンが追加される傾向にあるようです。逆に安価な入門機種や一部のボタンが省略されたり、コンパクトデジカメではすべての設定が液晶のタッチパネルで行う事が多いのが現状です。
ところで、上位機種になればなるほどボタンも増え、設定の操作性を重要視する傾向にあるのは何故でしょうか??一見すると、ボディが軽ければ軽いほど、小さければ小さい程、カメラとしては都合が良いようにも思えます。操作性を重要視するのには、大きな理由があります。それは、適切な撮影設定は、シーンに応じてバラバラで一定の設定では撮影できないため、ある程度は自分で設定する必要があるからです。
撮影するシーンに応じて、適切な撮影設定がある
撮影設定がバラバラであるという例を分かりやすい例で挙げてみたいと思います。
被写体の例 | 撮りたい雰囲気 | 必要とされる撮影設定 | 設定が不十分だと起こる失敗例 | 撮影写真の例(後述) |
---|---|---|---|---|
人物(ポートレート) | 人物を中心としたいので、背景を大きくぼかしたい | 絞りを開ける(F値を小さくする) | 背景が主張してしまい、人物が際立たなくなる | 写真A |
風景 | 全体をぼかさず、はっきりと写したい | 絞りを絞る(F値を大きくする) | 近くははっきりしているが、遠くはぼんやりしてしまう。 | 写真B |
羽ばたく鳥 | 鳥の羽ばたく瞬間を写したい | シャッタースピードを速くする | 羽の動きがぶれてしまう。鳥自体がぶれてしまう。 | 写真C |
夜景 | 街の明かりを奇麗に。人物もはっきり撮りたい | 感度(ISO)を上げる、又はシャッタースピードを遅くする | 全体的に暗くなり、被写体がはっきりしない。 | 写真D |
写真A.絞りを開けて背景をぼかしている。(下図は絞りをF1.8と小さく設定している)
写真B.絞りを絞って背景を奥まではっきりと写している。(下図は絞りをF8.0と大きく設定している)
写真C.シャッタースピードを速くして羽ばたく瞬間を捉えている。(下図はシャッタースピードを1/800秒と速くしている)
写真D.感度を上げて、夜景でも被写体である神輿や人物を明るくとらえている(感度をISO1250と高く設定している)
いかがでしょうか?上記の表を見ると、被写体に応じて撮影に必要な設定がバラバラであることが分かるかと思います。
絞り(F値)・感度(ISO)・シャッタースピード(SS)とは?
前述の撮影例で絞り、感度、シャッタースピードを意識した撮影設定が色々あることはご理解頂けたと思います。それでは次に、絞り(F値)・感度(ISO)・シャッタースピード(SS)の役割について簡単に説明していきたいと思います。尚、各設定の詳細な解説は、ニコンのホームページが非常に参考になります。そちらも併せて参照してください。
撮影設定 | 役割(調整すると得られる効果) | ニコンの解説ページ |
---|---|---|
絞り(F値) | ピントの合う範囲を調整できる。絞りが小さいと、ごく一部にピントが合い、背景や手前が大きくぼける。逆に絞りが大きいと、全体にピントが合い、写真全体でシャープな写真が撮れる。 | 絞りについて |
感度(ISO) | 感度を上げると、シャッタースピードをより速くすることができる。速くすることにより、暗所等での撮影で、ぶれない写真を撮れるメリットがある。しかし感度を上げるとノイズが目立つデメリットもあるため、極力感度を抑えた設定が好ましい。 | 感度について |
シャッタースピード(SS) | 速くすると動きの速いものを撮影できる、逆に遅くすることで、光の軌跡などを撮影する事もできる。 | シャッタースピードについて |
上記の撮影設定については、今後の記事でより詳しく扱っていこうと思います。
A,S,P,Mって何?
nikonの一眼レフのボディー左上には撮影モードダイヤルと呼ばれるものがあります。撮影モードは主に「Auto」,「A」,「S」,「P」,「M」,「SCENE」モードがあります。この撮影モードでは、前述した3大設定の扱い方を自動(カメラ任せ)にしたり、マニュアルに切り換えて撮影する事ができます。撮影モードダイヤルは、前述した撮影シーンに応じて使い分けると良いでしょう。一眼レフを使い始めたばかりの時は「Auto」,「SCENE」モードがオススメなのですが、3大設定を意識した撮影では「A」,「S」,「P」,「M」モードのような半手動、全手動の撮影モードを使用することになります。
撮影モード | 説明 | 用途 |
---|---|---|
Auto | シャッタースピードと絞りを自動に任せる | 手軽に撮りたい場合に使いやすい。 |
A | 通称絞り優先モード。絞り(F値)をマニュアル設定できる。シャッタースピードは自動に任せる | ぼかしの量を調整したい撮影に向いている。 |
S | 通称シャッタースピード優先モード。シャッタースピードをマニュアル設定できる。絞り(F値)や撮影した写真の明るさは自動に任せる。 | 動きの速いものを撮影するのに向いている。 |
P | 通称プログラムオートモード。撮影する写真の明るさが適切になる範囲内で、シャッタースピードと絞り(F値)の組み合わを一括で選択できる。 | 手軽に撮影できる上、絞りやシャッタースピードを意識した撮影を素早く選択できる。 |
M | 通称マニュアルモード。シャッタースピードと絞り(F値)を別々に設定できる。 | 撮影対象の明るさに全く左右されない撮影設定であるため、夜景などの光と影が多い場面や、被写体の明るさが変化しない場面での撮影に向いている。しかし撮影する写真の明るさが適切になるとは限らない。ファインダー内の露出計を確認しながら、写真の明るさを想像して撮影する必要がある。 |
SCENE | 名前の通り、シーンモード。Autoと似ており、シャッタースピードと絞り(F値)を自動で設定する。Autoと違う点は、撮影したいシーンを選択することで、それぞれのシーンに向いた設定を勝手にカメラが設定してくれる。 | 撮りたいシーンに向いた撮影設定を勝手に選んでくれるので便利。手軽さや使いやすさではAutoの次にお勧めな設定。 |
まとめ
いかがでしたでしょうか?「絞り(F値)」・「感度(ISO)」・「シャッタースピード(SS)」を理解すると、カメラの「Auto」,「A」,「S」,「P」,「M」,「SCENE」ダイヤルの役割をなんとなく知る事ができたと思います。日頃「Auto」モードで撮影されている方は、この機会に他のモードでの撮影も挑戦してみてください。きっと、一段クオリティアップした写真を撮影できるはずです。
次回は三大設定を意識した撮影をより詳しく説明していきたいと思います。
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うーん面白いね。
さすがに大体知ってることだけど、
こういうのは初心者さんにはやっぱり助かる。
脱初心者への道は、てっとり早くオートをやめることかな。
自分は最初っからオート禁止にしてたんで、
「あれ?暗い・・」とか
「あれ?ブレブレやん・・」とかなりまくりでした。
いの一番にM50mmF1.4買って練習したのが上達への道でしたね~
明るく、しかもフルマニュアルなんで、SSやF値を頭に入れないと
話しにならなかったww
kniさん、M50mmF1.4でマニュアル撮影というのは凄いな~。殆どマニュアル操作じゃん(笑)そこから学べる事は大きそうだね。自分は18-200mmでマニュアル撮影してみたけど、絞りの変化があまりよく分らなかったんだよね…。
単焦点+マニュアル撮影は色々学ぶには有効な方法のようだね!
すごく分かりやすかったです
楽しみに次回の更新まってます
>初心者さん
はじめまして!当記事を読んで頂き、参考にして頂けたようで光栄です。
次回記事もどうぞよろしくお願いします(^ ^)
私は今イメージセンサについて学んでおり、その中でF値、SS、被写界深度などの関係をようやく掴んだばかりです。
そのため、家にあるデジタル1眼カメラをマニュアルモードで使用してみようと思ったのですが、勉強したことを上手く活かせませんでした。
そんな時にこの記事を見つけたため、大変助かったと同時に自分で納得のいく写真を撮ることが出来ました。
初心者でも分かりやすい解説だったと思います。
ありがとうございました。
イメージセンサを学ぶ学生さん、はじめまして!
イメージセンサーについてですか(^^)とても専門的な分野ですね。
うれしいコメントをありがとうございました。撮影方法について、当記事が参考になったようで光栄です。またいつでも遊びにいらしてください♪